着物からドレスに「リメイクする制作工程」のご紹介です。

すでにお持ちの着物を、サイズ違いや生地のモチーフ、風合いの違いなどから 「この先、まづ着る事はないでしょう」と ドレスにリメイクをする依頼を受け ドレスとして復活する工程をご紹介いたします。

学校行事、祝い事、旅行など ひと昔は女性の着物姿は支流で当たり前でした 当時子供だった頃に見ていた母や祖母の姿 それらの思い出のいっぱいつまった着物が箪笥に静かに眠っています。
今日は気軽に着物を着る事もなくなり ただただ出番も無く 年一回の虫干し時に取り出して思い出を語ったりしているのが唯一ではないでしょうか!着物は三代位まで着れると言いますが 織、色、素材などは時代と共に変化をしています。
そしてサイズも今日では大きくなりつつあります。
お母様やご祖母様から頂いた着物は大事ではありますが 着物として着ないままであるより 新たな形で復活しお召し頂ければと願い。
ドレスは仕事に必要で着ますのでと言うお客様の 着物からドレスにリメイクの工程 をご紹介します。

 

1 ジャガード織の付け下げ小紋 一つ紋入り   地模様の菊柄に付け下げ風に手刺繍の入った着物です。

ジャガード織になっているので生地は厚めで 秋から冬にお召しになれば良い着物です。
前ひざ辺りに毛立ちが少しあり前肩、襟部分に少し色やけがあります。
全体にシミもなく 湯のしと軽い水洗いでリメイクする反物に戻してドレスへと取り組みます。

着物としての仕立て上がっていた元に様子です。

父兄参観日にお母様が良くお召しになっていた着物です。 「参観日に母が良く着ていた着物の一着で 何故かこの着物を着た母が好きでした当時の事が色々よみがえります。」 お客様談

2 着物を解く準備を動画にて説明をしています。 先ず着物を縫い上げる順番を戻るようにして解いてゆきます。

湯のしに出す為の 着物を元の反物に戻す作業にはいります。 着物が縫い上がる順番を逆にして縫目を解いて行きます。

3 着物生地を全部つなぎ合わせて 元の反物の様子に戻して 湯のし、クリーニングに出す準備をします。

縫目、汚れをなどを綺麗にします。

着物に仕立てる場合は反物生地を全部利用しますのでつなぎ合わせると元の一反生地になります。
着物の切込み部分に補助生地を当てて、着物に仕立てる前の一反生地の形にして 湯のし、洗いに出します。

4 湯のしから上がった反物を ドレスに裁断して裁断のパーツをボディーに合わせます。

デザインの希望や着物の素材などによって ドレス全体を着物地を使用しない方法をえらびました。
着物地がジャガード織りで生地に厚みがあり、ドレスの動きがスムーズに軽く見えない為 ヨーク、襟、スカートの間に明るめジョーゼット生地を挟んで
ドレスの動きの良さと広がりを出す様にしています。

裁断したパーツをピンで留め柄の位置、ドレスの広がり、丈などを確認します。
服地のジョーゼット生地でドレスの裾広がりを出していますので好みの広がりに作る事が出来ます。

着物巾を利用すると前中心の身頃が生地巾いっぱいになります。
ウエスト位置に接ぎを入れたりスカート部分のパーツの接ぎを多くしているのは 着物になっている襟、おくみが 半分の生地巾になってしまっている為です。
着物にまだなっていない反物状態では デザインはまだ好みの範囲が広がります。
着物地一反でドレス一着は出来ます。

5 ドレスを仮縫い状態にして(直しに影響のない部分は本縫い)お客様に仮縫いをします。

ドレスの仮縫いは身頃、襟、ウエスト部分が お客様に合っているかを確かめる事が一番重要になります。

生地の接ぎ部分は総て手縫いでのしつけ状態になっています。
切り替え位置、襟巾、袖ぐり、ローウエスト位置、ドレス丈など 総てが着るお客様の着やすさ、動きさすや、気になる部分がないかなど
確認して演奏する時の動きの様子も拝見して 違和感の無い様に仮縫い時で調整をします。
この時点でデザインの変更やパーツ違い好みに合わない場合などの変更は可能です。
特に襟の雰囲気や切り替え位置は ある程度の形にして着合わせをしないと解らない部分でもありますので デザイン変更は可能です。

6 襟巾、えりぐり部分の二度目の仮縫いをします。

一回目の仮縫いで襟部分の広がりが落ち着かないので二度めの仮縫いでやや横広がりのロールカラーに作り変えました。

この時点で身頃が仕上がり状態になっているので 直しをする部分も明確になってきます。

お客様への仮縫いはいつもお客様の気持ちに添えるかを心掛けています のでドレス作りはお客様と一緒にお作りするようにしています。

7 ドレスが仕上がった様子です。

ステージ用の演奏用ドレスとしてお召しになるので スパンコール、ビーズなどの光り物も付けました。

ドレスが仕上がりました。
ジャガードの着物地と楊柳ジョーゼットを合わせた 着物地のドレスとして完成です。
ジョーゼットの紺色には下に黒色ジョーゼットを重ね 着物地の色とかけ離れないように色調整をしています。

服地の色は洋服として映える明るめの色合いが支流であり サビをきかせたような和服の色と洋服の色のニューアンスが違っています。
和と洋の素材を組み合わせる時は本体の色に寄り近づけるように工夫する事が大事になります。

ご注文を頂いたお客様は ヴィオリン奏者であり 音楽学院を経営されています。 多くの子供達から大人までの生徒さんのご指導をされています。
生徒全員出演での発表会があり 「その発表会に着るドレスはどんな物が良いでしょうか?」と以前よりご相談を受けていました。
市場には市販のドレスやドレス用の素材は若い人向けの物が中心になっていて中高層の先生向きのドレス素材が非常に少ない状態です。
こちら石川県は繊維の産地であり繊維の開発もしていますが 商品の数の少ないドレス向きの生地はやはりなかなか見つけにくいものです。
一着のドレスとしてプリント柄の別注や一着染も試みましたがそのプラス分がお値段を高くし次々とは提案しにくくなりました。
それではと 箪笥に眠っているであろう着物に着眼しました。
着物は こちら北陸ではどの人も、どこの家でもたっぷり箪笥にありますのでデザイン次第でオリジナル性のあるドレスになるのでは と提案させて頂きました。
着物は用途用途で織物、染め方、染柄」が違い種類も豊富にあります。
四季があり、年齢があり、しきたりがありと そし羽織りものがあり 帯があり 襦袢がり 小物があり と実に和服は豊富に揃っています。
そして 着物には品が備わっています。
その品ある着物は、その中高年齢層の方々は、ほとんど方が着こなす事が出来ますので品よく見せる工夫をすれば着物地をドレスにリメイクして再びお召しいただけるのではないかと、 このような 着物からドレスへ の提案をここ数年させて頂いています。
オーガンジー、ジョーゼット、サテンのカラフルなドレスに交じって、ご指導される先生の着物ドレスは 品よく先生らしい格のあるドレス姿て聴衆の心を虜にしています。

総ての着物地がドレスに向く訳ではありませんが 眠っている着物がありましたらドレスに限らず コート、ブラウス、などにリメイクをしてみるプランをたてられても良いのでは と思います。

 

 

 

 

 

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