ドレスの仮縫い どんなもの?

「仮縫い」という言葉は、昨今あまり耳にしなくなりました。

既製品が支流でなかった一昔前は、オーダー服(注文服)が中心で、大人も子供も男性も街の洋装店やご近所の洋裁が出来る人に服を作ってもらっていました。(オーダーと共に仮縫いもありました)

この頃は女性の仕事がさほど多くなく、洋服の仕立が出来る女性は、それで生計を立てていた人が多くいたと聞いています。その後、急激に既製品が入り込み、着易くデザインも良く安価である事で、一気に広がり、オーダー服(注文服)も仮縫いもだんだん影を潜めて行きました。
オーダーという言葉は、今やレストランでの言葉になったり、一部の紳士服にのみに残っているだけのように思えます。

女性の服作りにもわずかに残っている部分はあります。それはデパートのオーダーサロン[高級服ゾーン]と言われている所です。
ファツションが一産業になった今日では、「洋服 = 既製品」とる、日常着から高級服まで総て既製品でまかなう事が出来るようになりました。

しかし、既製品だけではまかなえない分野もわずかにあります。
そのわずかな分野のご紹介をいたします。

 

婦人服のドレス部門の奥にある「演奏用のドレス」について話したいと思います。

一般には、ドレスはフォーマルウェアーの一分野として売り場に既製品(あるいはイージーオーダー)としてコーナーが設けてあります。ウエディングドレスやパーティードレスなどと同じように今回お話する演奏用ドレスも一緒のコーナーのドレスとして扱われています。

演奏者が着る演奏用のドレスには、これからそのドレスを着て臨む、演奏会やコンクールなどの真剣勝負のステージが待っています。
ウエディングパーティーや謝恩会など楽しく時間を過ごす為のドレスとは目的が全く違うのです!

演奏用のドレスは、演奏する人でしか解らないことが多く、不都合な点などはドレスメーカーには声が届きません。なぜなら、既製品は消費者が多い方面にしか向いていないからです。
演奏者にとって既製品のドレスは、実際に演奏する時に不都合な点が多く(機能性が十分でない)、直しを入れたとしても完璧ではなく、着づらいという声をよく耳にします。

ただ、オーダーすれば解決するか?というと、そういう物でもありません。
ではどのようにすれば良いか?

そこで登場するのが、耳になじみのない「仮縫い」であり、
機能性のある演奏用のドレスには、「仮縫いの技法」が要求されます。

 

ドレス売り場では、フォーマルウェアーという一括りの「お直しの」方法の直し方しかしていません。
演奏用のドレスには、プラス 演奏スタイルや演奏時の動きに合わせた機能性が必要になり、お直しではなく「仮縫いの技法」で直して欲しいのです。

「お直し」と「仮縫い」の違いは?

  1. お直しは、「丈が長いので長さを合わせる。身幅がきつい、ゆるいので身幅を合わせる。単にその人に合わせる」方法です。
  2. 仮縫いは、「演奏用ドレスなのかウエディングドレスなのか、その用途に合った機能性を取り入れた技法で仕上る」方法で、それにはある程度の経験が必要になります。

一昔は、「オーダー → 仮縫い」という物作りの工程がありました。既製品に体を合わせる方がスマートになっている今日ですが、演奏用ドレスのようにワークウェアーとして使用する演奏者の方々に合わせる仮縫いの技法は、絶対必要な事と思っています。

見た目に良いドレスを着ての演奏は好印象を与え、安心して音楽を聴いていただけます。そうして「次回もまた聴きに来よう」と言うファンも広がっていきます。
ドレスをお求めの場合は、機能性を取り入れた仮縫いが出来るお店がお薦めです。

美露土も、日々仮縫いの技法を磨くよう努力をしております。

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